ドキピー

二人の間には、いつも

相葉ちゃんが元カノのちゃんと会ったらしい。
昔はよく一緒に遊んだけど、そういえばもうずいぶんと会っていない。
は今でもちゃんと時々遊びに行っていて、ハンバーグを食べたとかカラオケに行ったとか、何年経ってもやることは変わってないみたいだ。

とは思えば長く付き合ってるなぁと思う。
あんまり僕たち2人の関係は変わらないかなって気がするけど、ゼクシィとかウェディング系のCMを見ている後ろ姿が寂しそうに見えたりするような気もする。
当たり前だけど肌の触れ合いは少し減って、それは少し寂しい。



「翔くん、ねぇ…」


それは夜中のことで、仕事で疲れて眠りこけていた僕を起こしたのは掠れたの声だった。


「なに?何時、今…」
「翔くん、あのね」
「どうしたの。寝付けないの?」


身体を寄せてきて、僕の耳元で囁く。


「したいな」


からそんなことを言うのは本当にめずらしいしそれ自体が久しぶりだったから、眠気も一気に冷めてしまった。
腕に、胸が当たってる。
急にどうしたんだよと言いながら、のワンピースタイプのパジャマを捲り上げ、下着をおろした。
上に跨るとは自分から腰をすすめてきて、何にもしていないのにとても、とてもスムーズに入ってしまった。


、なんかあった?」
「…エッチな夢、見ちゃった…」


一瞬目を伏せ、恥ずかしそうに手で顔を覆った。
が最近少し変わったこと。
たまにどこか遠くを見つめるようで、物思いに耽っていることが多いように感じる。



長く続いたバラエティ番組の楽屋はとても和やかで安心感がある。
報道のときは生放送だしなんだかんだ緊張感を保っているので、この時間はありがたい。
相葉ちゃんが、ちゃんと会った話をしている。


「だからー!俺言っちゃったわけ!またデートしたいなって!そしたら超笑ってんの!」
「可能性の欠片もないな」
「翔ちゃんはいいよね、いつもちゃんと一緒でさぁ」
「言ってもうちもデートとかしないよ、休みないから専ら家だよ。旅行行きたいなぁとは思ってるけど」
「えー!ちゃんLINEでイルミネーション今年は見たいって言ってたよ!」
「え、俺言われてない」


相葉ちゃんとはそういうやり取りをしてるのか…と、仲が良いんだなと再確認してしまう。
どうにも気が合うらしい。
小型のゲーム画面に視線を落としていたニノがぼそっと呟いた。


「大丈夫なんですかねぇ」


何が?と聞いたらようやく視線を上げてこっちを見る。


「おたくのさん。あやしいなぁ」
「はっ?何があやしいの?」
「よくぼーっとしてるんでしょ?そんなの元からでしょ。目立つほどぼーっとしてるってことはつまり男がいるんですよ」


早口で言って、またゲーム画面に見入ってしまった。
そんなわけないじゃん、と思ったけど、何も言い返せなかった。
相葉ちゃんが慌ててフォローにかかる。


「そんなことないよ!ちゃんは翔ちゃん一筋だから」
「え、なんか知ってんの?」
「知らない!知らないよ!」


頻繁にチェックしているスマホ。
カメラロールをたまに見せてくれて、それにもあやしい写真なんて何もないし。
まさかね。




一生懸命自分で腰を動かしながら、の息ははぁはぁと上がっている。


「し、翔くん、いっちゃいそうだよ」
「いいよ」
「触ってて、ここ」
「うん」
「…あっ!あ、あ、いっちゃうっ」


そしてぎゅっと力を入れて、は身体を何度かびくんと震わせた。


「気持ちよかった?」


体勢を変えて髪を撫でたら、コクンと頷くその頬は暗がりの中でもわかるくらいに赤らんでいた。


「やらしい夢見て、やらしい気分になった?」
「う、うん」
「足、もっと開いて」
「やだ、やだ開かない」
「やらしいことしてあげないよ」
「…やだ…して」


一瞬、が何とも言えないとても切ない顔をしたのを見逃さなかった。
見逃せなかった。
でもそれがどういう意味なのかはわからなくて、タイミング的に敏感な部分に触れたからかもしれない。
イルミネーション、どこか見せてやれそうかな。
そう思ってチュッと唇にキスをしたら、はとても柔らかく笑った。
ふっといつもの暖かい空気が流れた気がした。
ニノの言うことはあてにならない。
に限ってそんなことはできない。




2016/10/20 6号