瞳は開けたまま星が流れる
なんとか日付が変わる前にバタバタとドアが開いて、ハッピーメリークリスマース!アンドハッピーバースデー!!という声が聞こえてきたので出迎えるなり、松潤がクラッカーをパン!と鳴らした。
雅紀を含めた嵐の面々の中にも混じっていて、彼女まで遅れてクラッカーを鳴らす。
クリスマスイブであり雅紀の誕生日の今日、クリスマス会兼誕生日会が催されるというので昼からこの雅紀の自宅で準備をしていた。
料理の手配と予約したケーキを受け取りにいき、それをテーブルに並べただけなのだが準備は準備だ。
嵐は今日コンサートだったにも関わらずこの会の為に急いで来たというのだから相変わらずお祭り好きすぎる。
「おつかれさま、みんな」
「ー!!」
あろうことか、靴を脱ぎ捨てた雅紀が抱きついてきた。
信じられない。二人きりじゃなくみんなが見ているこんなところで抱きついてくるなんて。
雅紀からほのかにお酒の匂いがする。
どうやら既にひっかけてきているようだ。
しかし、嵐のメンバーはそんな雅紀を咎めることもせず、私達を追い越してリビングへと歩いていってしまう。
いつもならニノあたりがからかいながら、なんやかんやと言ってくるはずなのに。
そんな私の視線に気づいたのかニノが立ち止まって、「今日ばっかりは誕生日ですからね」と言ってリビングへと消えてしまった。
誕生日だから特別に全員見なかったことにしてくれるってことなんだろうか。
「雅紀、そろそろ…離してほしいかな…」
「もうちょっと」
「いやでも主役なわけだし、行かないと」
「大丈夫。みんな勝手にやってるから」
確かに扉を隔てた向こうから、ビールで乾杯する掛け声と、再びクラッカーの鳴る音がする。
松潤は一体いくつクラッカーを持参しているんだろう。
雅紀の腕の中にすっぽりおさまって、胸に顔を押しつけられているのは苦しいから、なんとか顔を上げると、ちゅっと短くキスをされた。
その雅紀らしからぬ行動に驚いて顔が勝手に赤くなる。
「やめてよ、みんないるのに!見られたらどうするの?!?!」
私には剛くんという彼氏がいることをみんな知っているし、雅紀とこんなことをしているとバレたらコトだ。
「翔ちゃんとちゃんだったらおかまいなしにするじゃん。なんならそれ以上のことだってするよ?」
「違う!私が怒ってるのはそういうことじゃなくて!」
確かにあの二人ならキスどころかその先までやりかねない。
しかしそういう話しではないとさっぱり理解していない雅紀がいつの間にか私を壁際に追い詰める。
流石にそろそろ行かないと、ニノあたりがやって来る予感がする。
だから意を決して背伸びをして両手で雅紀の顔を掴むと自分から唇を合わせた。
誕生日だから、こんな状況でこんなことをするのは特別だ。
死ぬほど恥ずかしくて心臓がうるさい。
「誕生日だからありがたく思っ」
「ー!!!ありがとー!!大好きー!」
「ちょっとお二人さん!人が黙ってればいつまでイチャついてるんですか?早く来てくださいよ」
予想通りしびれを切らしたニノが呼びに来た。
再び雅紀の腕にすっぽりおさまって、じたばたと苦しそうにしている私を助けてはくれないらしい。
それから再びたくさんキスをされてからようやく解放されるのであった。
2017/12/24 18号 happybirthday!Lovin' you!