キラキラトーンの中で息をした
おもしろくない。
分かりやすく頬を膨らませてじと目で見つめているのに全く気づいてくれない。
はずっとテレビを見ている。
缶ビールも二本空けてしまった。暇だ。
だから仕方なく冷蔵庫から三本目を出したところでやっとが振り向いてくれた。
俺とは正反対のとっても機嫌の良い微笑みで。
「私にもちょっとちょうだい」
「これまだ少ししか飲んでないからあげるよ」
「ありがとー」
「ねぇ、まだ見るの?」
ビールを受け取って再びテレビに向かうに声をかけると、当然かのように頷かれた。
がさっきから一生懸命見ているのは年末の紅白歌合戦だ。
しかも歌は飛ばしているから、見ている場面はニノが喋っているところ。
そしてのお目当はその背後。
「なんて素敵な微笑みなの?!」
祈るようなポーズで、目がハートマークになっている。
「雅紀はいいなあ。一生さんと同じ空間にいれて」
は高橋一生さんに夢中になっていた。
聞けばわりと前から気になっていたらしく、はまる気しかしないから口外はしていなかったらしい。
でも結局今どハマりしている。
「ちょっと!家で見なよ!」
「え…だって雅紀のテレビのが大きいし…」
「剛くんとこで見ればいいじゃん!」
「見てたら消された」
既にチャレンジ済みだった。
「録画ごと消さなくてもいいじゃんね」
「俺も消そうかな……」
「え!だめ!」
リモコンを抱えて抗議されてしまった。
きっと剛くんはそんなを無視して強行したに違いない。
でも俺は剛くんみたいに強気でそんなことはできないから、諦めての隣に座った。
「高橋さんすごくいい人だよ」
「え!?しゃべったの?!」
「挨拶しただけだけどすごく感じが良かったよ」
「そっかあ〜いいなあ雅紀」
本当に羨ましそう。そんなに好きなのかな。
剛くんには普通に嫉妬することあるけど、こういう場合もやっぱりモヤモヤしてしまうものなんだと分かった。
が結局ちょっとだけ飲んだ缶ビールに手を伸ばすと、いつの間にかこっちを見てきていてドキリとする。
「雅紀、しよっか」
する?するっていうのは??急になんでそうなる?!心の準備が全く出来てなくて、不意打ちな発言にあからさまに動揺してしまう。
しかもからそんなこと言ってくるのはすごく珍しい。
「高橋さんは、いいの?」
「見終わっちゃったよ」
いつの間にか最後まで見終わっていたらしい。
動揺してる俺を楽しんでいるらしくニヤニヤしている。
そういえば翔ちゃんはちゃんとまだしてなかったんだっけな、なんてことを思い出した。
のし掛かるの重みが心地良い。
さっきまでのモヤモヤが消えていく。
なんて単純なんだろう。
ニノあたりが知ったら良いように使われてんじゃないよって怒られそう。
でも別にそれでもいい。
の心臓がドキドキしていたから、それでいい。
2018/1/23 18号